薄明のハイドロレイダー

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「お待たせしました！」

「大丈夫だ！サブロー！！！」

　神（おまえ）の辛さを、分かってやれなかった。

「ハイドロレイダー！キュロス君！！！３km後方に退避！！！珊瑚を凍らせるわ！」

「さ、３キロ！？わかりました！！！」

「雨沢（あまさわ）君！！！私たちはサブロー君を援護！」

「了解！」

　これは後藤（ごとう）崎山（さきやま）だけの悪意じゃない……。

　神（おまえ）を助けられなかった俺の……鬱屈とした世界の、哀しみか……

「ライさん！」

「分かってる！！！コズミナルバラージ展開ィ！！！」

「わ！かっこいい！！！」

「シュウジ！走るよ！！！」

「ごめん！」

　弾幕の向こうに、お前の声が揺れている。

「ライさん！発射します！！！」

　スターノエルに、結晶（チカラ）が集結する。

「今ひとりだとしても……」

　若い奴らに流行っている口上。

「誰もひとりじゃない」

　俺は……

「全部が……未来の糧だ！」

　ただお前と笑って過ごしたかった。

「スターライク……」

「「「コズミナル」」」

「ダイヤモンドォォォオオ！！！」

「「「エンペラー！！！」」」

「フリーズ！！！」

「「「フォース！！！！！！」」」

　粉雪が波のように舞い、ブラックホールに吸い込まれていく。

　全部、無かったみたいに。

　煌めく結晶の向こうで、お前が笑った気がした。

「これで終わりじゃないんだよ、ライ」