偽りの秋桜……――可視懐え、祝宴の空

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「ヤマタノオロチ、巨大馬うま、大猿、青い鳥、巨大猪イノシシ……」


 土曜日の午後、アタシはサブローを小さな倉庫に呼び出していた。

 小さな白い倉庫。

 密談をするためだけにあるような倉庫……。に思うけど、いろんな最新のシステムがある、母がHyLaハイラの事務で使ってる部屋だ。


 アタシは手をかざして、モニターを展開した。


 イスとテーブルを出してやる。


「座ってください」


 サブローは静かにイスに座った。


 アタシも静かに座った。


ねずみ、牛、虎、うさぎ、ドラゴン?、羊、犬……」


「……そうだね」


 サブローはため息をついた。


「他はギリいけても、うさぎと犬はシュウジには無理です。絶対に」


「おそらく、……そうだね」


「人為的な悪戯いたずらですか?十二支なんて……ふざけてるっていうか」


「いや、人為的である可能性は低いと見てるけど、どうやらディストレスは日本で生まれてる」


「始めは大世界の人工島アイランドオブピースじゃないんですか?」


「そう思われていたが、それは間違いだったんだ」


 サブローはモバイルホログラムを立ち上げた。日本地図が映る。


 黒いモヤモヤと白いモヤモヤが日本を包んでいて、栃木、静岡、熊本、北海道に黒いモヤが集まっていた。


 その黒いモヤの流れは、東京湾の中心部から噴き出しているように見える。


「これって……!」



 

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