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海風の吹くテラスで、サブローはホットコーヒーをふぅ、と吹いた。
コーヒーの香りの湯気が、潮の香りと一緒に夜風に混じって、肌寒くて、塩辛い。
「ミカ君の
「じゃあ、……もうショーコや小学校のみんなは……安全なんですね」
「そうだ」
でもそう言ったサブローの顔は寒さの
「……よく、皆んな研修なんてやってくれましたね」
「ミカ君のこと好きだからじゃないかな。シュウジ君の友だちも、もちろんね。みんな驚きはしていたけど、快く受けてくれたと聞いているよ」
ふ、とサブローの顔が緩んだ。
でもアタシは、恐ろしい気持ちで一杯だった。
……本当に?
大切な人を失ったら、アタシは辛くて立ち上がれない。
それに、卒業のこのタイミングで、今はみんな快く協力してくれたかもしれないけど、……いつか疎ましく思う日が来るんじゃないだろうか……。
ショーコに嫌われたらアタシは……
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