薄明のハイドロレイダー

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「常にひとりってこと……」

　アタシはロボ菜（な）ちゃんの真っ直ぐな瞳を思い出した。

　一人きりの戦い。

　どうしてあんな風に強く在（あ）れるんだろう。

　ロボ菜（な）ちゃんは自分の意思で、向かって行った。

「……怖く、ないのかな……」

　思わず口を突いて出た言葉。

「どうして？みっちゃんもだろ？」

　アタシは違う。シュウジがいる。

　今はジュンもいる。

　いつも流れに身を委ねて、死を選ぶくらいならと、なんとか耐えてきただけだ。

　たくさん痛かったし、辛かった。

　いつも怖いし、でもそんなアタシでも、家族のため……守れる何かがあるのならと、懸命に歯を食い縛って駆け抜けてきた。

「見てる人がいれば……さ」

　幸子（さちこ）がアタシの背中に手を置く。

「どういう意味？」

「さー？☆でもま、HyLA（ハイラ）の円盤もいるし、大丈夫じゃない？」

「ハイドロマイクロウェーブは飛行空域圏内までは至らないらしいね」

「じゃあヘブンズレイダーなら援護出来るんだ☆まぁお姉（ねえ）たちがいないと動かせないけどさ……」

「まぁ見てみぃ、強いで、あの子」

　リイヤ・キュロスが窓の向こうを示した。

　ロボ菜（な）ちゃんのレイダーが、銀虎（ディストレス）を動けなくさせていく。

　決着は、近い。

「——繋がった！」

　宗（そう）ちゃんのホログラムモニターに、水のような碧（あお）い波紋が広がった。