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「……——!!」


 イヤリングから、嫌な感じが全身を駆け巡る!!!


「シュウジ……!」

「アクアフルール!!!」


「……っあ!!!」


 浮力の中に穏やかに揺蕩たゆたっていた身体に衝撃が走る!!!


「リイヤ!!ファントムもバリアを展開だ!!」

「やってるよ!ジュン!!うわっ!!!!!」


「何……あれ……なんでこんなところに!!!うっ」


 ビリビリと痺れるような光線に立て続けに襲われる!!


 ……違う、これはっ


「雷だ!」

「海の中に!?痛っ!!!」


 振動と電撃がリバティの全身から伝わって、操縦管を握る手が痺れる!!!


「何よ……何あいつ!急に出て来た!!!」


 油断していた……


 自分の思いに囚われて、今日もいつもの1日が終わっていくんだと思ってた。


「でもあね!もうすぐ海の底に着くよ!!」


「いやダメだシュウジ、アイツはそうはさせてくれないみたいだ」


 警戒アラートが通信機から響いて、画面にテロップが浮かぶ。


 ——離脱ボタンに手を!!


 冷たくて暗い海の底。


 堕ちていくだけのその冷たさの中にっても、待ってくれない事態は起こりうる。


「アクアフルール!!強い!あのディストレスアイツ


 黄金の巨大ネズミディストレス……


 水の底ここにいるはず無い……


 そんな常識ルールを嘲笑うかのように、テキは愉しそうに笑った気がした——

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