「うわ……っっ…………痛ァ！！！」

　気づいたらアタシはまた石の階段を転がっていた。

「姉（あね）！！！」

「シュウジ！！！」

　アタシを受け止めたシュウジも傷だらけだった……。

「な、なに！？大丈夫！？……痛（つ）ッ」

「ミカァ！！！」

　涙をぽろぽろと零しながら、幸子（さちこ）がアタシを支える。

「さ……幸子（さちこ）さん、姉（あね）、水素針（すいそしん）を貸してください」

　既に握力が失われたアタシの手から、するりと水素針（すいそしん）が抜き取られていく。

「ショーコさん！弓でこれを遠くに……！！！」

「わ、わかった！」

　赤と蒼と銀色の熱を帯びた水素針（すいそしん）が綺麗な弧を描いていく……のを追いかけるように……！！！！

　バリバリバリィ！！！！！！と雷鳴が轟（とどろ）く！！！

「ぎゃーっっっ」

「姉（あね）！！！後ろっ！」

　シュウジのサイコプラズマワルサーが小猿（こざる）を倒していく。

「幸子（さちこ）さん！ワルサー使えますか！？」

「少しなら！」

「ここを離れましょう！」

　ドォン！ドォン！！という爆音が、だんだんと離れていく。

　どれだけ走ったか分からない。

　遠くの空がバチバチと光っているのが見える。

「……雲が……」

　遠くの空に暗雲が立ち込める。

「あれは……」

　強い痛みと共に、背中がぞくっと冷えた。

「大丈夫、実華（みか）。……ワープ」

「ま……ぶし……」

　目が眩んで、蒼が広がっていく――……

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