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アタシは必死に明るい方へ、明るい方へ走った。
冷たい夜風の中を……灯りを求めて。
豪華客船を模したアトラクションの周りは、美しいイルミネーションと家族の笑い声や仲間と交わす微笑みに包まれていたけれど、アタシにはどこか遠い幻のように思えた。
アタシにはこんなふうに、大切な人とこんな時間を過ごすことは無いのかもしれない……
「お姉ちゃん?泣いてるの?」
知らない家族の知らない子どもが、心配そうにアタシを見上げる。
「大丈夫……」
関わってはいけない。
そういう思いで
ジェットコースターの悲鳴が、反響している……
「Hydro・light・academic・laboratory……
アタシは滲んだ夜の灯りをじっと見つめた。
「……いえ」
「
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