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「「「ただいまー」」」
「おかえり……」
カレーでお腹一杯になった充足感一杯の体を、アタシは畳から無理やり起こした。
「そこで
ランドセルを部屋の隅に放り投げて、わくわくを抑えられない勢いで弟が食器棚からカレー皿を取り出す。
「俺は、そこで
「
「俺がカレーの香りに気が付かないわけがないでしょ?」
……どんな嗅覚してるんだ。
基本的にすぐに家に帰りたがるジュンも、
……まぁ今日はカレーだしね。
サッシの向こうに、生温い風が吸い込まれて行く。
この分だと、三姉妹も来るかもしれないな……。特に
新しい暮らしが始まっても、変わらない温度もそこにある。
それはなんだかため息も出るけれど、アタシの存在をここに
「
すでに銀色のスプーンを構えた弟の瞳は、キラキラに輝いている。
「おいしかったよ」
アタシにはそれが、切なくて
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