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激しい嵐の後には、透き通るような快晴が待っている——。
驚くほど綺麗な
そして強かに波間を制する鈍色の
「シー・リバティ・ドルフィンチーム、迎撃に備えてほしい」
通信機から、サブローの激が飛ぶ。
「分かってる!」
灰色の東京湾を三体の水中機体が潜っていく。
自家発光機能があるフィンヨンレイダーと、
「怖いなー海……」
リイヤの軽い冗談に、気が抜けてくる。
「イルカよりも、
ジュンもいつも通り。
アタシは灰色の海が好きだ。
先が見えない、薄暗い海でもアタシの育った東京の海。
ここには生き物だっているし、日々の闇も、そこにある暖かさも、重たくて優しい水の中に、すべて
「私、好きかも。ここの海」
通信機からリディアの声がぽつりと聴こえた。
「先が見えない景色も、ワクワクするよね」
「そーだね」
だからアタシも灰色が好きなのかも!
東京湾内の磁場発生源の撮影……今日はそれだけだ。
まぁ絶対、この先には
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