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「ねぇミカ〜☆」


「何よ、わっ!」


 リュックに入れようとした教科書やノートが、バサバサと床に落ちた。


「わ、ごめん!」


 幸子さちこそうちゃんが拾ってくれたけど、アタシは窓の外のマンハッタンの夜景を見てため息を吐いた。


「家でも会うんだからさー」


 改めて教科書をリュックにしまう。


「いいのー!3組の教室、景色綺麗じゃん☆見たかったの!」


「ロンドンも同じくらい綺麗なんじゃないの?」


「まァそうだけどサ⭐︎」


 まぁ、幸子さちこが来るとロボちゃんもレイチェルさんも嬉しそうだしいいけど。


 アタシたちは少しお喋りして、またねと教室を出た。


 マンハッタンの裏路地は、オレンジの街灯がいくつかついて、シチューみたいないい匂いがする。


「なんか、怖いのかも」


 そうちゃんとアタシの真ん中で、黒いセーラー服の幸子さちこがぽつりと言う。


「生誕祭も、うまくいったんだ。……ミカとも仲直り出来たし、シチューのいい匂いもしてる。だけどそういう時だから、悲しいコトが起こるのって」


 今夜、アタシたちは次の作戦のミーティングで集まることになってる。


関野せきの雷三らいぞう艦長は優秀な人だけどね」


「ゴーグルおじさん……」


 今度のアタシたちのミッションは、母艦で月に行き、低重力下での運動性テストだ。

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