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「みっちゃん、ちょっといい?」


 全部の授業とHRも終わって、アタシは教室からマンハッタンの景色を眺めていた。


 空中バイパスを走るスカイカーのテールランプが、色とりどりの流れ星みたいに夜の街に軌跡を描き、夢見たいな景色。


「何?そうちゃん」


 そうちゃんは珍しく、優しい兄のような顔をしていた。


「明日誕生日でしょ?これ、サブローさんと俺から」


 水色の小さな可愛い箱には、銀色のリボンがかかっていた。


「えー!ほっしー明日誕生日なの!?」


「わ、わァ……」


 最近すっかり仲良くなったクラスのみんなに囲まれて、変な声が出てしまう。あ、ジュンは帰っていますね。


「え、ロボちゃんとレイチェルさんはいつ?」


「ちょ、ほっしー俺にも聞きなよなっ」


「え、リイヤもなんか欲しいの?アタシ男子が欲しがりそうなもの分からないけど」


「やっぱ菓子とか嬉しいよなぁ」


「お菓子か……それならまぁ考えとくよ。で?」


「俺は7月10日!」


「私は10月3日ー」


「レイチェルさんは?」


「1月3日なの」


「わかりました。あ、そうちゃんは2月22日ですよ」


 ニャンニャンニャンの日だから覚えやすい。


 そうちゃんとサブローがくれたプレゼントの中身は、月みたいな猫の瞳の形の、片耳のイヤリングだった。

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