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「もー☆ミカおそいじゃん☆ショーコちゃん待ってるよ~☆」


 はくはくと口を動かすアタシを気にせず、幸子さちこは我が家のごとく、ショーコのキッチンへと消えて行った。……なんで!?


 キッチンの扉を開けると、ベージュのパーカーに青いスカート、ふわふわの黒いツインテールをローで纏めた、黒曜石のような瞳の美少女が、アタシのカップでショーコの淹れた紅茶を飲んでいた。


「んー☆おいし☆ショーコちゃん天才!」

「ありがとー、サチコちゃんがくれたクッキーもいい感じ。今出すね~」


 あのさ!髪と目を黒くしてるけどプリズム出てるから!アンタ、ハピたんだよね!?


「ほっしぃ、はいどうぞ」


 アタシの席に、幸子さちことオソロ(というか元々はアタシのカップ!……良かった。二人分用意してくれたんだ)がことんと置かれた。すごくいい香りがする。


「ねぇねぇほっしぃ、サチコちゃんってハピたんに似てるね」


 自分のカップを両手で包みながらショーコが言った。


「ウッソー☆嬉しい!私ハピたん大好きなんだぁ!!!☆」


 いや本人だよ?


「でも知らなかったなぁ。ほっしぃにハピたん似のハトコが居るなんて」

「もー!ショーコちゃん褒めすぎー☆私も知らなかったよ~ミカにこんなに素敵な親友がいるなんてー」

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