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 ……プリンセスなんて柄じゃないけど。


 見上げると、光が降りてくる。


 銀色の岩で造られた要塞は、どこか空想チックで、海のプリンセスになった気持ちがしてくる。


 まっ白が続く湖底は、美しい雪のようだし、辺りを揺れるあおは、魔法の世界のようだった。


 足の感覚が、もはやい。


 ……けど、アタシの心はときめいていた。


「本当に綺麗……」


 ひんやりとした涼しい空気に汗がひいていく。


「ここが、Hylabハイラボ-Aquareaアクエリアか……涼しいな」


 1時間歩き続けて、ジュンも流石に息を切らしていた。


「空調が効いてるんだと思う。いつも快適だ」


 玲鷗れおんは汗ひとつかいてない……。


「二人とも、着替えるか?あっちがシャワー室だ」


「でも着替えないし……」


 アタシは汗を拭った。


「あっちがワープエリアだ。HyLAハイラ施設ならほとんど繋がってるから、家からとってきたらどうだ?」


 えっ?


「そうするか。Firstファーストから調布に帰れるしな」


「いや待って、ワープで繋がってるの?」


「おう」


 いや、おうじゃないでしょ!!


「道すがら、我々の他には誰も居なかっただろう」


「そうだけど……!」


 ジュンも知ってたんかい!!!


「あんまり時間がないみたいだ。30分後には、あのAquareaアクエリアゲートに集合にしよう」

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