410

「駆け抜けておとりになる!リイヤ!逆方向に跳べ!!!」


「やってみるけれどもっ」


 ファントムが水中に消えた。


 アタシは……ジュンとシュウジを信じる!


「「「薄明はくめいの光が奔流ほんりゅうとなる」」」


「私の」

「我の」

「俺の」


「「「力で流れを変えて」」」


 掴まれるかもしれない……悪い力に。


「「「突き進め!!」」」


 新しい光は、もう見られないかもしれない……


「「「ディストレス!!!」」」


 いつだって怖い!今が楽しいほどに……


「「「リバティ ストーム!!!!!!」」」


 穏やかな日々はいつか終わらるかもしれない……でも!


「「「レーザーーーーー!!!!!」」」


 強力な重量にひっぱられる……けど!襲い掛かる滅びの手をすれすれで躱していく……明るい光の下で……アタシたちは!!!


 向こう側でファントムレイダーの鱗が天に昇る!!!


 空に向かって一直線に!


 水しぶきが珊瑚に降りかかって、その勢いに誰も追いつけない!!!


「止まるな!」


 重量に負けない!


「振り返るな!!!」


 この心は、未来しか見ない!


「絶対に、来るよ!そうちゃんたち!」


「……あたり前!」


 そう信じる!乗り越えて見せる!!!


 ――モニターを追う暇なんてない!


 イヤリングに、珊瑚の動きが伝わる前に……絶対に切り抜ける!

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る