211

 地学を秋田の湖の底の施設で受けて、(ワープエリアで各施設は繋がっている)マンハッタンに戻り、猫にまつわる小説の授業を受けた。(両方とも講師と一対一だったけど、おじいちゃん、おばあちゃんの素敵な先生だった)


 お昼休みはマンハッタンの街に出てもいいし、各HyLabハイラボの食堂で食べてもいい。


 マンハッタンのカフェなんて憧れるけど、クラスにまだ友だちが出来てないアタシは、今日のところは食堂に行くことにする。


 ジュンくらいはいるかもしれないし。


 マンハッタンのHyLabハイラボの食堂は、屋上にあって、明るくて気持ちがいい。お洒落なカフェ風のデッキと、芝生エリアがあって、売店で食事を購入したら、好きなエリアに好きなテーブルと椅子を顕現させて、食事を取る仕組みだ。


 2-1にのいちから2-3にのさんまでの搭乗者パイロットクラスはひとクラス6人のクラスだけど、1-1から1-3までの研究者アカデミークラスはひとクラス200人の大所帯。


 外に出てる人もいるから全員ではないとしても、食堂はかなりの人で賑わっていた……けど、一際ひときわ禍々しい魔王の椅子に座った銀髪は目立つ……アタシはわかめうどんを購入して、周りの目を気にしながらジュンに近づいた。


「お、お疲れ」


 せめてアタシは可愛いカフェ風の椅子に座ろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る