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「じゃ、そゆコトで、今日はお開きにするかね〜」


 白湯さゆを飲みながら、少ししんみりした気持ちになると、幸子さちこが叫んだ。


「あ〜ん☆嫌だぁ〜☆☆☆でも明日学校だもんね……しくしく。私も明日仕事だもん!」


「そぅそ!アタシたち偉いよ、みんなねっ」


 今日、会えて良かった。


 ショーコと会うと(まぁ幸子さちことも)、いつだってそんな気持ちになる。


 共感したり、異論を交わし合ったり、ただ側に居たり。


 アタシたちにはそんな時間が必要だ。


 その積み重ねが、アタシ自身の答え合わせになっていく。


「ありがと。ショーコ。幸子さちこ


「まぁ、また近いうち集まろ」


 そう言うとショーコはサクサクと片付け始める。飛ぶ鳥は跡をにごさないのた。


「わ〜ん☆」


 と言いながらも幸子さちこも慣れてきたものだ。


 ダウンジャケットをぶわっ、と羽織り、クルクルとシルバーアッシュのストールを巻く。


「サッチー、これ巻いて行きなよ」


「あ、ありがとー☆可愛い!」


 深緑のストール。幸子さちこのベージュのパーカーの上に巻くと、なんだか春みたいだった。


「それじゃ、」


「「「またね!!!」」」


 満たされた気持ちでショーコの家のドアを閉めて、真鍮の門扉をキィ、と開ける。


 空には、一番星。


 少し寒いけど、いい匂いの穏やかな春風が吹いた。

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