171
「ミカッ!!!」
「シュウジ……遅い……よ……」
「ごめん、部活だった」
「……カ君、すまない!ジャケットの生体治癒効果で、応急的に傷は
「……大丈夫です、動けます」
シュウジに支えられてむくりと起き上がる。
背中や手足の傷口がズキ、と痛んだけれど、さっきよりましな気分だった。
「ミカ!ごめん!!援護しきれなかっ……血が!!!」
「キモ……でも見た目より大丈夫そう」
……じゃないかもしれない。
怖くて目の奥が熱いし、口がカラカラに乾いていた。
でも……
「なんか光ってる、この階段」
「う、なんか
記憶より、いやに長い。
多分、アタシが抜けたら、ショーコの居る場所には辿り着けない気がした。
「シュウジ、水筒持ってる?」
「うん」
シュウジはいつも体を動かしたいタイプだから、いつも水分を携帯している。
アタシはそれを貰って喉を潤した。
「行こう」
青空を思い出す。
この階段、辛かったけど、あの日の空は青く澄んでいた。
あの日もこんな風に、ショーコが手を引いてくれたからアタシは……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます