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「何……なのよォ!ここは!!!」


 エリア高尾山。小2の時の遠足で行ったから良く覚えていた。


 あの時はケーブルカーで行ったから分からなかったけど、結構高い山。


 アタシは毎日筋トレしてるけど、生身でこんな山登りなんて聞いてない!!!


真紅のコランダム爆炎ブレイズ☆☆☆」


 幸子さちこのピンクのガントレットが光って、真紅の水素針すいそしんからコランダムブレイズが放たれ、小猿たちディストレスが消えていく。


「な、なんか魔法少女みたい☆☆☆ぎゃー!なんて言ってる余裕ないーっ☆☆☆アクアフルール!!!大丈夫!?ミカッ」


「——なんとかっ!!!」


 ……じゃないけど、アタシは探さなきゃいけない。


 一応アタシの両腕にもガントレットが装備されてるし水素針すいそしんも射出出来た……


「バッバーキングアローッ!!!」


 ——当たらない!


 一切当たらない!!!


 幸子さちこに守られてばかりで泣きそうになるけど足を止めるわけには行かない!絶対に!!!


 アタシは歯を食い縛って小猿ディストレスの猛攻をかわしながら登り続けた。


「絶対見つけよう、ミカ!!!」


 幸子さちこは最近寝てない。


 それでも、そんな顔を見せずに小猿ディストレスを薙ぎ倒していく。


 泣いてる暇なんて無い!


「ミカ、どっち!?」


「たぶんこの方角!!!」


 楽しかった遠足。その記憶を頼りに、アタシたちは登り続けた。

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