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「歴史と搭乗訓練も一緒だもん……」


 暗い表情で、幸子さちこが呟いた。


 そう、搭乗訓練もHyLabハイラボの単位になるのだ。なんかこう、取り組んでいることが形として認められると、頑張れる。


「ミカっ!なんで2-1じゃないのっ!!」


「そんなコト言ったって……ていうかなんかどんどんいつもの空気に……」


 ここはうちのアパートじゃない、ハワイなんだから!


幸子さちこサン、まぁ同じクラスと言っても、科目は個人選択だから、皆んなほとんど講師とマンツーマンになるんじゃないかな」


「でもゴーグルお……雨沢あまさわサン、何で、ゴーグル外しちゃったのよ。ま、いいケド」


「んー。暑いからね」


「そっちの方がいいよ、そう!なぁほっしぃ!」


 いやまぁどっちでもいいけど。まぁつけひげとか暑そうだけどさ。


「もー、嫌だなー!アタシだけ1組なんて……」


幸子さちこ、コミュ力高いじゃん」


 新しいセーラー服も、オーダーメイドかってくらい幸子さちこの魅力を引き立たせてる。……それに比べて、アタシは……


「ハァっ?もー!そういうコトじゃないんだよ☆はーもういい、一旦トロピカルジュース飲みに行こっ!」


「き、教科書受け取ってからね!」


 新しい教科書は、気持ちを凛とさせる。


「で?ミカの最初の授業はなに?☆」


「えっと、和歌かな」






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