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「……
緋色のコートの男の声が一粒の星を纏う。
それは俺の目の前に、ホタルみたいに飛んで来る。
「触れろよ」
「嫌だ!」
足がまた動かない!
「何で……何でこんなところに連れて来たんだ!」
逃げられない!!
「おい!何とか言えよ!!!」
「一人で来たくなかった……からだよ」
「は!?……嫌だ……嫌だ!
「何でだよ?」
天頂から突き刺す太陽。
「ちょっと見してって言っただけダロ」
「わ、やべっ!
「我……俺のせいじゃない!夏だからだ!」
「……ま、いいケド。なんだ、元気じゃん。いつもプール休んでるみたいだけどさ」
その夏、父が死んだ。
母は
「なんかさ、
呆れたように、少し楽しそうに
「我……お、俺は魔王だから」
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