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ブーツが
レイチェルさんにもらった黒のチェルシーブーツが少し灰がかってきたけど、硬い通路にトン、と響く音がアタシには心地いい。
食堂でしっかり朝ご飯を食べる。
わかめのお味噌汁と、白いごはん。
スクランブルエッグにウィンナー、少し塩気のある鮭の塩焼き。
それから焼きのりと冷ややっこ。
果汁たっぷりのオレンジジュースと牛乳も飲む。
「ミカー、コーヒ淹れたよ☆」
「ん!」
食堂の大きな窓の外には碧い
小学校の時の理科の授業で、ホログラム投影室で何度も見た光景だけど、こうして実際に見ると神聖な気持ちになる。
いくつもの歴史を重ねて、失敗も、幸せも、全部が詰まったアタシたちの
少し心許ない気持ちにもなるし、なぜか少し、感動してしまう。
「あったかいね」
「ん」
新品のマグカップから昇る煙に包まれていると、優しくて、少し家に帰りたい気持ちになる。
だけど、コーヒーの苦みがそれを少し薄めてくれる。
「朝ご飯食べると元気になるね。おかーさんのごはんが食べたくなるけど」
「……思った」
おかーさんは、アタシの母のこと。
「まぁ、母も元気でやってるはずよ」
「そだね☆」
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