　マックスが放った幾億の流星は妖精の谷に反響し、ドラムのように辺りを打ち鳴らした。

「バーキングアロー！」

　シュウジは躯体（くたい）に付いた鼠（ねずみ）を払って、水素針（すいそしん）を構えた。

　エメラルドと、白炎（びゃくえん）の、雨。

　真紅のオーロラが包み、ラベンダーに染まる空。

「ホッシー！シュウジ！ミカ！ダイジョブデスカ？」

「大丈夫です！マックスさん！」

　黒い悪意（ディストレス）は、光の中に消えた。

　守ることができた、新しい未来（なかま）を。

「こ、こわーい！！！何あれー！！！きもーい！！！」

　コランダムレイダーが、ぺたんと地面に崩れ落ちた。

「鼠（ネズミ）デシタッ」

「ハァッ？てゆーかマックス氏もそのテのタイプなのぉ！？」

「凄いですよマックスさん！ヴェル・レイダー（Velveteen（ベルベティン） ray-der（レイダー）、通称ヴェル・レイダーですね！……とシュウジが愛称を決めた）もカッコイイです！凄い射程！凄い範囲！！！」

「テ、照レルナー」

　アタシはハイドロレイダーの左腕を拾った。

　痛覚連動システムは弱めてあって、重たい違和感しか感じなかったけど、、気持ちのいいものじゃない。

　大丈夫ですよ！とHyLA（ハイラ）の円盤が受け取ってくれた頃、スターノエルレイダーが到着した。

「あれっ？」

　既に、谷の緑は復元が始まっていて、美しい景色が広がりつつあった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい