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濁流となった茶色い流れが、黒雨を跳ね飛ばし、雷鳴が鳴っていた。
「……——いい匂いがする」
今日やられたものだけではない
「食べてもいいの?……ライ」
主任だけじゃない。俺はそれを知っていた。
「動けるならな」
他人ごとだと言い聞かせて。
「んー……無理かも」
こんなことで、償いにならない。
「何故、やりかえさない」
お前の知能なら、術があるはずだ。
「うまそう!ブラウンシチューなんて久しぶりだなぁ」
何故俺の罪を責めない?
「痛みの先の未来を
「痛みの先の未来?」
「そう、この真珠はね、ライ。人類の滅亡のトリガーでもあり救国の女神でもあるんだよ」
こいつが考案した白衣の認識阻害ポケットから、白い真珠が出てくる。
「機密USB入れじゃなく、それを想定してたのか」
「そう。格好いいだろ?」
こいつを傷だらけにした原因は俺にもあった。
「俺は見ていた」
それが俺の罪だ。
「何故俺を信じる……」
「僕がライを?まぁ、顔のいい奴は嫌いじゃないけどね」
ベッドに沈み込んで、
「君を信じているわけじゃないよ、ライ。僕は僕の直感を信じてるだけだ」
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