雨上がりのプリズム……——サンシャインレター

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「ミーカ☆ハイこれ」


 アパートの階段の下で待ち伏せている美少女。


 わくわくした瞳がキラキラに輝いている。


 地下基地の中は快晴。


 幸子さちこの手のひらの中には、螺鈿らでんのように輝く、貝殻みたいなもの握られていた。


「……綺麗きれい


  朝日を反射する輝く貝を受け取ると、特別な気持ちになる。


「誕生日おめでとっミカ☆」


「えっまだだよ!?」


 アタシの誕生日は三日後。


 それでもぐいぐい渡された貝殻はキラキラと輝いて、嬉しい気持ちになった。


「ミカ、かなぁって思って。あんまり大掛かりにやるの。それね、私の好きな楽器なんだ☆ホラ、たまにニュースでやってるでしょ、彗星の欠片カケラの加工品のこと。それね、彗星カスタネットってやつ」


「知ってる……」


 地球に降り注ぐ宇宙からの贈り物。


 それをアクリルとか、プラスチックに混ぜて加工すると、こんな風に貝殻みたいに綺麗になる。


 それに、学校の吹奏楽部がいくつか持っていたけれど、アタシも憧れていた。


「カスタネット、大好きなんだ☆無心に叩いても楽しいし、ただ叩くだけで楽しいんだよ☆」


「ア……アタシにも出来るのかな」


「もちろんだよ☆」


 指を通す紐は、銀色の刺繍糸で丁寧に編まれていた。


「可愛い……」


 不思議とそれはアタシの手のひらにぴったり合った。





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