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「ね、ねぇほっしぃ。なんか、あのコ……光ってるね」


 下校途中。


 いつも、アタシはひとけのない路地に行ってからワープする。路地の手前の三叉路さんさろまではショーコと一緒だ。今日は路地には行かず、ショーコの家に行くから楽しみ。


 その三叉路さんさろに、地味なベージュのフードを目深に被ってるけど、プリズムみたいなキラキラを抑えきれてない幸子さちこが立っていた。


「ミカ、私と一緒に帰ろう」


「えっと、今日先約があって……」


幸子さちことそのコ、どっちが大事なの?」


 ん?


「昨日、シュウジ君が、言ったの。あねと仲良くしてねって」


 なんだそれは。


「えっとね、たぶんシュウジはそういう意味で言ったんじゃないと思うし、トレ……(ーニングとはいえないか)採掘練習、今日ないし。ショーコ、行こ。あのコ埋蔵金サークルのコなんだ」


「……ショーコちゃん、知らないんだ」


 くす、と幸子さちこが笑った。


(来ないなら言うよ?)


 唇がそう動いた気がした。


 って言うか……別にショーコに知られて困ることないし!きっとショーコは、態度を変えたりしない。……でも、巻き込みたくなかった。


「ショーコごめん、お茶、また今度でも大丈夫……?」


「いーよ。あのコなんか差し迫ってそうだし」


 確かに、レイダー搭乗は怖いしね。

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