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「で、何が聞きたいの?」


 アタシは幸子さちこにお茶を淹れてやった。


「べっつにー☆ね、それよりさ、ミカ。シュウジ君ってカノジョとかいるの?」


「ねぇそんな話よりさ、不安じゃないの?」


「別に?☆」


「……。ところで、今日お姉さんたちは?」


「知らなーい☆」


幸子さちこ!」


 玄関のドアが開いた。


「あ、由子ゆうこおねーちゃん☆」


「何やってたの?今日は搭乗研修オリエンテーションでしょう?」


「……」


「い、行きなよ幸子さちこ。いきなり搭乗だと、結構わけわかんないよ?」


 アタシは過去の記憶をイロイロと思い出した……。


幸子さちこ由子ゆうこ、早く支度しなさい!」


 ドアがまた開いて、雪子せつこさんが入ってくる。


「本当困る!早く行きなさい!」


「「……」」


「あの本当に、事前になるべく詳しく聞いたほうがいいと思いますよ」


 幸子さちこ由子ゆうこさんはしぶしぶ出て行った。


「ふぅ、本当困っちゃうわ。……いくらシュウジ君が素敵なコでも、ミカちゃんも嫌なこととかあるわよね?」


「えっ?ないですよ?まぁ……ん?ってコトはありますけど、シリアスな場面で、技名とか真剣に考えていたり?笑っちゃいますよね。あ、でも基本、優しいいいヤツですよ?」


 シュウジが仲間に嫌われたら困る。だからアタシは一緒懸命シュウジの良さをプレゼンした。

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