薄明のハイドロレイダー

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　およそ700メートルの浮上。

　浅瀬が続く東京湾内にジャンプして、ハイドロレイダーは無事に湾内に着地した。

「うぉ、難しっ！」

　ファントムレイダーも人型に変形しながら浅瀬をずるずると這い上がりフィンヨンも陶器のような白いすべすべの機体に変形する。

　シュウジとジュンは、レイダーの色彩変調にかなり手練れてきていて、最近は初期の大仏みたいなカーキのハイドロレイダーを気に入っている。

「やばっ格好いい！！ファントムもフィンヨンも！！！」

　シュウジの瞳が輝く。ジュンの瞳も地味にきっと。

　湾内の水中ウォーク。

　初めての体験に圧を感じるけど、機体をHyLA（ハイラ）が回収できるところまで移動させなきゃ。

「みっちゃん！」

　……——宗（そう）ちゃん！？

　通信機にノイズが入る！

「Sea（シー） Leading（リーディング） Team（チーム）に告ぐ！！そのまま前方に出撃！！……みんな……頼む！」

「雨沢？」

　ジュンがメインモニターを拡大した。

「姉（あね）！あれ！！！」

　レインボーブリッジの向こうが金色に……燃えていた！！

「囲まれてる！！」

　リイヤが海蛇（シーサーペント）に変形し、浅瀬を滑っていく。

「俺多分こっちのほうが速い！！」

「私も！！！」

　リディアも水面を駆けていく。

「どうしよう……僕たちは！！！」

「無理だよ、リバティじゃ！！！」