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「よ、しっと」
アタシはホロカレンダーのカウンターを一年後にセットし直した。
「この日に、また帰ってくるからね」
正直、休みが取れるかはわからない。
働いて、働いて、働いて。
本当は、サブローともっと過ごしたいし、結婚とかもしたい。
でも、アタシじゃなきゃ出来ない仕事もあると思いたい。
それに……人が足りないっっ!!!
終わりのないこの辛くも少しは幸せな日々がいつまで続くのか、わからなくなる時がある。だけど、願うだけなら。
「ぜったい、来年はクリスマスしよう」
それが、口約束だったとしても、ハジメもサブローも嬉しそうに笑ってくれた。
「
「はぁ!?……ば、ばかじゃないの!?ま、まぁ!?このアタシの可愛さを持ってすれば、彼氏の一人や二人っ!?」
「……本当に、いつ
ウィスキーの水割りを飲み始めたハジメが、据わった目で語る。
兄弟三人で生きてきた。必死だった。けど……
「うん。今までありがと、
サブローは、アタシにターコイズのネックレスと、ハジメ兄に同じ色の栞を差し出した。
「まぁ向こうに行っても暇なんかないかもしれないけどさ」
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