432

「……なんで、分かるんだよ」


 この不思議な弟分は、悔しいくらいに正解を見つけ出す。


 銀河から、たった一つの星を見つけ出すように。


「エリアBの人たちが作ったんだもん……そうちゃんも居るし!」


 迷いのない瞳に、俺はいつだって背中を押されて来た。


 いや、湿った暗がりの中で、煌々と光る、消えそうな輝きに吸い寄せられるように進んで来た。


 忘れえぬものと、忘れるべきものを、ないまぜにして奥歯で噛みしめて……。


純之助じゅんのすけ、何があった」


「新種のディストレスだ。アローを撃ってみたが効かない。逃げるしかかった」


「わかった」


 目の前の景色が、壊されていく……。


 失ったいつかのイルミネーションが、消えていく街の灯に重なる……。


そうちゃん、アタシたちが居るから」


 みっちゃんの後ろには、リイヤ、マックス、シュウジと純之助じゅんのすけ……


 悠久の存在、今、得た力……――


そうちゃん、クリスマスの街を取り戻そうよ!!!」


雨沢あまさわ!解析を続ける!!」


 亜空間を穿うがつ穴が広がっている……


「ライさん……」


「まだ、大丈夫よ!」


 何者もアクセス出来ない深淵に何度もアクセスする。……絡んだ鎖を解いていくように――


 これは……


そうちゃん!」


 俺たちが創った未来への使者ちからだ!


「エンペラーが光ってる!!!」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る