36
優しい雨が、しんしんと降っていた。
こっぺ、こっぺ……こっぺ、こっぺ……
雨音を聞きながら、アタシはちゃぶ台のお
「基地内は外の世界の天気と連動しているんだ」
白いどんぶりを受取り、サブローが言った。
アタシは空席に置かれた、緋色に塗られたお箸を見つめた。
シュウジは銭湯に、母は
アタシはお
スチール風の階段をカンカンカン……と降りていき、下の階の扉を開ける。
鍵はかかっていなかった。
下の部屋は、下の階のお父さんとお母さんが生きていた頃のまま、綺麗に片付いていた。
窓辺の
アタシは花瓶の水を変えて、おにぎりを
「
アタシは窓を開けて、
雨が、しんしんと降っていた。
「みっちゃん、辛いんだ……」
三年で癒えるわけない。
「……うん」
「……
「……うん」
アタシは少し笑ってしまった。
…to be continued
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます