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 元気出せない時も……


 幸せじゃない時も……


 どこかで戦う人がいる——


 自分のペースで——


「……乗り越えてゆこう——」


「!?」


 アタシは飛び起きた。


 RUN RUN RUN Escalation


 君と出会えて


 ——リディアのモバイルから、着信メロディーが鳴っている。


 STOP STOP STEP Imagination


 夢が広がるー


「鼓動、渦動カドウ、時代映し照らしてー今」


「……ロ」


「「行こうー」」


 モバイルから流れる、古いラジオみたいな声と、ロボちゃんの声が重なる。


「ロボちゃん!!!」


 アタシはベッドから落ちそうになりながらも、隣のベッドに突き上げられたロボちゃんの拳を掴んだ。


「私、この歌、好きなんだ」


 ロボちゃんは眠たげにもう片方の拳で目を擦った。


「ア……アタシも……!!じゃないよ……生きてる!!!」


 安堵と怒りみたいな気持ちで、涙が止まらない。


「RUN RUN RUN Escalation 君と出会えてー☆☆☆」


 ロボちゃんが飛び起きた!


「STOP STOP STEP Imagination 今日が始ーまるー☆☆☆☆☆☆」


なまハピたん!?」


 ロボちゃんがアタシの肩を強く掴んだ。


「ま、いいじゃんミカ☆無事みたいなんだしさ☆」


 幸子さちこのウインクが朝日に溶けた。





 


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