■7章 組織VS組織

第181話・女子高生3人組、来たる04


「いただきます」


「「「いただきまーす」」」


帰宅した翌日の午前10時頃、みんなで遅い朝食を食べる。


琉絆空るきあさんと舞桜まおさんをのぞき、俺と裕子さん、理奈、

銀と加奈さん、そして詩音と例の女子高生3人組とで一緒に食卓を取り囲む。


もっとも9人分の料理を載せる事の出来る大きなテーブルはなく、

小さなちゃぶ台をいくつかくっつけて大きな一つの食卓とした。


弥月みつきさんのお兄さんと舞桜さんは、まだトレーラーハウスだろう。

 昼には来ると思うから、朝食は今いる人間だけで食べちゃって」


俺は食べながら今の状況をそれとなくみんなに説明する。


「あのっ」


「ん? 君は……卯月うづきさんだっけ?」


ツインテールにやや三白眼の女子高生が俺の顔を見ながら、

何かたずねてきたので聞き返す。


すると短めのストレートをした細目の子、速瀬はやせさんが、


安武やすべさんが、詩音お姉さまの初恋の人だったって本当ですか!?」


「……確認お願い……ぜひ……!」


次いで丸顔・ジト目にポニーテールのもみじさんの質問に、

俺は思わず口に含んでいた液体を盛大に吹く。


「い、いやっ!? 確かに詩音を女の子と勘違いしていた時はあったが」


「それで!? どこまでいったんですか?」


まず卯月さんが食いつき、


「だから何もしていない!」


「お風呂やお布団までは一緒だと聞きましたけど!?」


その後に速瀬さんが、


「それはアイツが勝手に入ってきただけで……!」


「……でもお姉さまの色気にどれだけ対抗出来るか……

 キスくらいはしたのでは……!?」


なおも椛さんが追撃してきて、その問答からしばらく俺は解放される

事は無かった。


(ちなみに銀と加奈さんは空気に徹していた)



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