第154話・協力者追加02・詩音視点05
「『話し合いで決めてね』……って言われましても」
ミツ様と裕子様が出て行かれた後、アタシは1人の残され考える事に。
いえ、マンションにはあの子たち3人も残っているわけですが―――
確かに当事者同士で話し合うのが一番でしょう。
しかし事情が事情なだけに、どうしたらいいのでしょうか。
ただまあ、お2人をホテルに追い出す形になってしまいましたし……
いつまでも彼女たちと一つ屋根の下、男であるミツ様を置いておくのは
問題になるでしょう。
それに今回はアタシの都合で―――
お2人の週末を邪魔してしまった、とも言えるわけですし。
これ以上ご迷惑をおかけするわけにもいきません。
そういえば裕子様、家を出る前にあの子たちに何か言っていたようですが……
アドバイスでもしてくれたのでしょうか?
とにかく話し合わなければ先に進めません。
アタシは意を決して、お茶を持って彼女たちの部屋をノックしました。
「あ……」
「……し、詩音お姉さま……」
「ど、どうぞお構いなく」
やや緊張気味に見える3人の前にお茶を差し出し、
「今回の件は災難だったわね」
アタシから優しく話すと、それで彼女たちの表情も和らぐ。
「あ、今は耳もしっぽも消えてますね」
「……本当……」
ショートストレート&細目の子と、ポニーテール&丸顔&ジト目の子が
そう話す。
「あー、あの時は
何せ相手も
だけどツインテールにやや
「わ、私にはまだ
「
多分あなたは『視える』人なんでしょう。
先ほどまでいた武田様や
アタシの説明に、今度は他の2人が彼女に向かい、
「ねー、瑠奈ちゃんいつから視えてたの?」
「……情報、求む……!」
「まあ、とにかく自己紹介からしましょうか。
こうなった以上、あなたたちにも事情を共有しないといけませんから」
そこで1人ずつ、自己紹介が行われ―――
「
で、瑠奈さんは初対面の時からアタシに気付いていたと」
(■5章129話 瑠奈視点01参照)
「は、はい。
意図して人には見えないように妖力をコントロールしてきたつもりだけど……
視えちゃう人には意味が無いものね。それを失念していたわ。
「詩音でいいわよ。
姓の方は人間社会で生きていくのに身分証が必要だからという理由で、
付けただけだし―――
……じゃあ、本題に入りましょうか」
ようやくアタシは意を決して、今後の事を決める話し合いに入りました。
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