第99話・女子会・武田視点08
「ふう、いいお湯だった……アレ?」
風呂から
「ああ、みんなは武田さんの部屋に集合しているっぺよ。
何でも今後の事を話し合うそうだべ」
褐色肌の青年が
「ふーん。何話しているんだろ」
「色恋の話は女の大好物だっぺ。あまり関わらない方がいいっぺよ」
「……ま、そうだな」
そこで男性陣は話を止め、入れ替わりに銀がお風呂へ向かった。
「では、今後の方針について会議を始めます」
私、武田裕子が司会のように話すと―――
他の女性陣(一人男の娘含む)がうなずく。
「理奈さんと詩音さんについて……でしたね?」
そこで共に和風の着物を着た、女子高生くらいの黒髪ロングの少女と、
シルバーの長髪をした女性が力を込め、
「はい、これで―――
ミツとゆっちー、銀と
3組のカップルが出来上がったわけですがっ」
「アタシと理奈さんだけ、特定の相手がいない状態となっているわけで
ございます」
確かにこう立て続けに身の回りでカップルが成立していったら、
焦る気持ちはわかる。
それにこう言っては何だけど、2人ともかなりの美人さん。
出会いさえあれば相手に事欠かなそうだけど―――
問題は彼女たちが人外である事でしょう。
「てゆーか詩音さん?
あなたはいずれ、安武さんと部長の間に生まれた子と結婚するんでしょう?
それでいいんじゃないですか?」
「そういう問題じゃないんです!」
弥月さんの言葉に彼女は反発する。正直それはわかる。
周囲がカップルだらけ、という環境が問題なのだから。
「……そういえば詩音さん。
相手は男女どちらにするんですか?」
「えっ? ま、まあ好きになったらどちらでもいいかなあ、とか?」
それはそれでまた別の問題が起きそうだと思っていると、
「それにしーちゃんのところは競争相手が多いからねー。
その時になったら、別に取られてしまう可能性もあるし」
「縁起でも無い事を言わないでくださいー!!
それなら今のうちにミツ様の
「えっ!? ぶ、部長。あの人どっちもOKなんですか!?」
「あの、話がややこしくなるから止めて弥月さん」
そこで下の階から満浩さんの大きなくしゃみが聞こえ……
議論は混乱を加えて加速していった。
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