第164話・人間ベース02
「人間ベース、ですか。確かにそういう
「それに―――そっちの方が性質が悪いですから」
土曜になり、
「人間の知恵を持っておるゆえな。
「オラはまだ見た事は無いだべが、確かに厄介そうだべ」
それぞれの恋人である
「……で、詩音は?」
「週末は私のマンションが『愛の巣』と化してしまっているので―――
当分は帰れないんじゃないかと。
あ、群れにネズミの天ぷらの配達をお願いしますと言伝されています」
俺の問いに、裕子さんが微妙そうな表情で語る。
「まー学生さんはお金無いもんねー」
「そういう問題じゃないような気がするんだが」
軽く話す理奈の言葉に俺は答える。
いかに鈍感な自分でも、詩音の身に何があったのかはここ数日でようやく
理解していた。
「まあ、気持ちはわからぬではないが。
付き合い始めたばかりというのは、そういうものでもあるし」
「そ、そうですよねっお
特に最近の女の子はすすんでいるっていう話ですから」
舞桜さんに対し、義理の妹(予定)の加奈さんも同調する。
「そうなると詩音はハーレムなのかなあ」
何気なく俺が発した言葉に女性陣はなぜか視線をそらして、
「ハーレムというか」by理奈
「共同所有物というか……」by加奈
「囲い込み?」by裕子
「みなで仲良く分け合っている?」by舞桜
そしてそれを見ていた男性陣は俺も含めてどんな顔をしたらいいのか
わからず、
「ま、まあ……
そういえば弥月家では、加奈さんの方のお話はどうなっているんです?」
琉絆空さんと舞桜さんは公認となったので、後は加奈さんと銀だ。
それと微妙な空気を変えるためもあって、俺は弥月兄妹に話を振った。
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