第145話・顔合わせを終えて02・弥月加奈視点06
「さて、
夕食後、二階のある一間で―――
私の一言に集った面々がうなずき合う。
会社の上司である、セミロングに高価そうな眼鏡をかけた秘書風の女性、
武田さんと、
抜群のプロポーションを持つ、赤い肌に二つ角を持つ鬼、
高校生くらいの童顔に、黒髪ロングストレートを持つ倉ぼっこの理奈さん、
シルバーの長髪に同じ色の眉毛がとても麗しい、
人間と
行う事となりました。
そして話の内容はと言うと……
「じゃあ正式に両親公認となりました、舞桜さんから」
170cmほどの、女性にしてはやや長身の彼女は照れながら、
「いや、まあ。どこから話したものか」
私を含む4人の視線を集めた後、彼女は一息ついて、
「その、何だ。あの腕輪があったからのう。
それに狭いとれーらーはうすの中じゃ。
目が合ったら、すれ違ったら、食事の後、お風呂と。
おかげで夜の方がまだ健全に眠れそうじゃ」
まあご両親に認められた後、という事もあるでしょう。
ちょっとハッスルしてしまっても仕方がありません。
そういう私も私で、銀様とやる事はやっていましたけど―――
「こ、後学までにお聞きしたいのですがっ」
「何回戦ほどでしたか?」
理奈さんと詩音さんが自分の主におずおずとたずねますと、舞桜さんは
ピースサインのように人差し指と中指を立てて、
「それはちょっと少なくありません?」
「私も。話を聞いていると何かすごくその、多かったような……?」
武田部長に続いて私も聞き返しますと、
「……いや、2回ではない。20回じゃ」
それを聞いた面々は私を含め一瞬沈黙し―――
「待って待って待って!?」
「お昼前から夕食くらいまでの時間ですよねえええ!?」
まず理奈さんと詩音さんが絶叫のような声を上げ、
「うそでしょ? いつ休んだのですか!?」
「にっ人間か兄貴!!」
部長の後に、思わず私も地が出てしまいます。
確かに夕食は遅かったのですが、それでも昼からそれまでだいたい
8時間ほどはあったはず。
480分を20回で割ったら確かに24分くらいにはなりますが。
「まあ数は前後するが、少なくとも15回は下らないはずじゃ。
いやあさすがに妖を狩る一族、鍛え方が違うのじゃなあ。
もう何度意識が飛んだかわからぬ。
しかもアタイの体が小さいのを良い事に、いろいろな姿勢でのう……♪」
そこから先はのろけが入り混じり―――
情報共有としては非常に参考になったのですが、
「……さて、アタイがこれだけ話したのだ。
裕子殿に加奈殿。お主らの事も聞かせてくれまいか?
どうせ
はっするしたのであろう?」
そして私たちにも矛先が向き―――
情報共有させられたのでした。
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