第122話・東京からの帰宅


「ただいまー」


俺、裕子さん、弥月兄妹、理奈、詩音を乗せて、自宅となった家の前に

車を停める。

6人の大所帯の移動となったが、俺の車はミニバン。

田舎なので大人数の移動もあるかと思い、8人乗りの乗用車を有していた。


「銀ちゃん、留守番お疲れー」


「一人だけに任せて申し訳ありません」


次いで人外組の2人、理奈と詩音が車から降りる。


「銀様、荷物お願い出来ますか?」


「ああ、いいっぺよ。いつも通り離れの小屋だべな?」


褐色肌の青年が荷物を軽々と担ぎ、


「じゃあ裕子さんのは二階だね?」


満浩みつひろさん、お願いします」


俺はというと、彼女である武田さんの分を担いで家に近付く。


するとそこで地響きのような振動が起こり―――


「とうっ!!」


その声に見上げると、空中で回転しながら……

赤い肌の、抜群のプロポーションを持つ女性が舞い降りて着地する。


舞桜まおさん!!」


「いやん、舞桜って呼び捨てにして欲しいのじゃ、琉絆空るきあ殿~♪」


恋人になった期間は俺たちの中で一番後だったはずなのだが、目の前で抱き合う

そのバカップルぶりに、他のみんなは生暖かい目で見守る。


「じゃあもう昼過ぎになるし―――

 荷物を置いて一段落したら、みんなで昼食にしよう。


 近況もそこで共有するって事で」


そこでみんなうなずき、テキパキと作業に入る。


「例のペット用のネズミも購入しましたし、仲間も喜びます!」


「ペットショップでヨダレを垂らされた時は焦りましたが……」


まごう事無き肉食獣だものなあ。詩音が裕子さんの言葉に赤面し、


「それより兄貴のお土産だよねー。

 今の兄貴は絶対警察署の前歩けない。荷物検査されたら一発レッド」


「こっこれはだな!

 あくまでも舞桜だけに対する物で……!」


「大丈夫じゃ、未来の旦那様♪

 アタイはどんな『ぷれい』でも受け入れようぞ♪」


家の前でわいわいと騒ぎながら、みんなそれぞれの作業を進めていった。


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