第158話・協力者追加06


「あえ?」


「おぉん?」


やや三白眼の少女と細目の同級生は―――

どう形容したらいいのかわからない声を上げ、


「……あの、詩音お姉さまの妹さんでしょうか……?」


彼女たちの共通の友人が、ジト目のまま質問する。


するとその少女はてきぱきと食器を持ちながら、


「あはは……アタシは詩音ですよ、みなさん。


 昨晩体力をちょっと使い過ぎてしまったようで、覚醒前の姿に

 戻ってしまったようです」


まるで日本人形のような細目で、ニコリと笑顔を返す。


その光景を瑠奈るな水樹みずき一花いちかはポカンとしながら見送り、


キッチンであらかた洗い物を終えた詩音が戻ってくるまで、

目を丸くしてフリーズしていた。




戻って来た詩音は改めて女子高生3人組と向かい合い、


「うっわー、こんなに小さくなるんだ」


「12,3才くらいかな?」


「……純和風の美少年……これはこれで……アリ……!

 いや、アリ過ぎる……!!」


彼女たちの言葉に苦笑しながら詩音は、


「ふふ、これだとあなたたちの妹みたいですね。

 いえ弟、と言った方がいいでしょうか?


 不思議な感じですねえ」


口元をおさえてコロコロと笑う詩音は、彼女たちがまた『スイッチ』が

入り始めている事に気付かず、


「あ、あの、詩音お姉さま……」


「ん? なぁに?」


彼女(彼)が首を少し傾げながら瑠奈にあざとく聞き返すと、


「そ、そのお姿でですねっ、

 『お姉ちゃん』と言ってくださいませんかねっ!?」


彼女のオーダーに、水樹と一花はブンブンと首を縦に振る。


「えっと……


 なぁに? お姉ちゃんたち?


 これでいい?」


すると3人は握りこぶしを固めてテーブルの上に突っ伏す。


「じゃあ食後のデザートでも食べましょうか。

 これは4人で―――えっ?」


冷蔵庫に向かい3人組に背を向けた詩音は、その一瞬のスキに

自分の髪や腕、足にしがみつく感触を覚え……


「どど、どうしたの?」


おかっぱ頭の彼女(彼)は女子高生3人組に問うも、


「いえ、デザートを頂きたくてですねぇ♪」


「むしろこちらがメインディッシュ……!」


「……大丈夫です大丈夫、お姉ちゃんたちが優しくするから……!」


そしてそのまま詩音は彼女たちに、また自分の部屋へと

連れ込まれたのであった。


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