第220話・分析04
「これが、弥月家の手の者が調べた情報です。
特別第六課の会議室で―――
「『
そして『
「もうここまでわかったのか」
「さすがに
職員たちは口々に感想を述べるが、
「だが、まだもう一人がわからない。
恐らくこちらも非戦闘系とは思われるが、表向きは仕出し弁当屋の社長……
つまり彼らのリーダーである公算が高い」
琉絆空の言葉に、第六課の職員たちはざわめく。
「正直、物理的な攻撃能力がわかっている方がまだマシだ。
こういう非戦闘系は何らかの特殊系な能力を持っている。
それがわかるまでうかつに手は出せない」
そこで彼はいったん一息ついて、
「そちらからは、何か新たな情報は無いか?」
琉絆空の問いに女性職員が片手を挙げて、
「不審な案件に関してですが―――
『飛縁魔』の被害者と思われる男、教師なのですが、学校とその地方の
動画の内容はと言いますと……
まあ、被害者の悪事というか本音が入っていたもののようですが。
そういう自白のような動画が、全てではありませんが―――
妖の被害者にそういったケースがよく見られます」
「それは『煙羅煙羅』の仕業ではないでしょうか?」
他の男性職員の指摘に、弥月家の長男は考え込む。
「確かに、『煙羅煙羅』は実体を消せるが……
そのままでは多分映像などは撮れないと思う。
道具を使う際には実体化しなければならないはずだ」
「そ、そういうものですか」
即座に否定され、職員は肩をすくめるが、
「だがいい線はいっていると思う。
『煙羅煙羅』は煙となれるし、どこにでも潜入可能だ。
中には『煙羅煙羅』が撮った動画もあるのだろう」
その答えに職員たちは表情を明るくする。
「……待てよ。
『飛縁魔』の被害者の動画がどこに送られて来たと?」
「え? は、はい。
その被害者の学校のPC及び、その地方の教委に―――」
すると琉絆空はスマホを取り出して、
「ちょっと協力者に連絡する。待っていてくれ」
そこで彼は会議室を後にした。
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