第219話・分析03
都内の寂れた場所にある、五階建ての古びたビル。
そこへ
このビルは
最先端のデータを有しており、
「……これだな」
アラフィフの眼鏡をかけた会社員らしき男から、彼は書類を受け取る。
「『
結構有名どころだな」
「連中の周囲で発生した事件、それと近年の妖怪が起こしたであろう
事案と照合してそうなった。
あとの2人の男性に関してはまだわからんが―――
直接的な物理攻撃を有さない妖だと見ている」
説明を聞きながら琉絆空は書面の文章を目で追い、
「しかしまあ、被害者もまともとは言えないな、コレじゃ」
「恐らく、仕出し弁当屋は仮の姿なのだろう。
裏で依頼を受け、恨みを晴らす……そんなところじゃろうな。
ところで―――またえらい
初老の男性の視線の先は、琉絆空の腕にしがみつくように隣り合う、
そのはち切れんばかりの胸をリクルートスーツに身を包んだ女性で、
「え? やだべっぴんだなんてそんなオジサマ♪」
彼の伴侶であり、鬼娘の
クネクネと恥じらいながら言葉を返す。
「じゃがまあ、鬼であるあなたがいればコイツは心配ないじゃろ。
どうか支えてやってくれ」
「もちろんですわ!!」
と元気よく答えるが、彼女も書類に目を落とし、
「でもアタイが対処出来るのは、火とか風とかもしくは腕力くらい
ですからね。
残っている2人の妖が気になります」
「実体が無いヤツもいるんだっけか。
そればかりは舞桜さんにも対応出来ないからなあ」
すると若い男女を前に会社員らしき男性はもう一枚書類を差し出し、
「この中にいると思うかね?」
各種、妖怪の姿と名前が入ったリストを渡された琉絆空と舞桜は2人で
書面をながめ、
「『
するともう1体か」
「ううむ―――
話を聞くに、そやつらは敵討ちの真似事のような事をしているのですね?
なれば、調査に長じた妖を調べるのが良いかも知れません」
それを聞いた初老の男性はさっそく机に座りPCに向かうと、
「うむ、それは気付かなかったな。さっそくリストアップしてみよう」
そう言いながらデータを打ち込み始めた。
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