第218話・分析02
「ふむ。今そんな状況なんですか」
東北にある実家で、俺は
聞いていた。
現状、東京には弥月兄妹と―――
それぞれの恋人である
詩音とあの女子高生3人組も東京を拠点としているので……
俺・裕子さん・倉ぼっこの理奈の3人だけで待機していた。
「誰からだったの?」
眼鏡をかけた秘書風の女性が語り掛けてくる。
「東京にいる弥月さんの兄の方からだよ。
今の状況とかを教えてもらったんだ。
でも裕子はいいのか?
平日なのにここに来てもらって―――」
「まあ有給もそんなに使っていませんし、
大丈夫だと思うわ。
それにこのシチュを逃がすのは惜しくて(超小声)」
何か最後にボソッと言った気がするけど、よく聞こえなかったので
話を進める。
「そろそろ食事だし、向こうの状況は食べながら……って、
理奈は?」
するとそこへ、黒髪ロングストレートの高校生くらいに見える童顔の
彼女が現れ、
「なになにー? そろそろお昼?」
「そうだ。じゃ、2人とも食器を出してくれ」
そして俺たちは一緒に台所へ向かった。
「さて後は……おっさんにも連絡しないと」
東京の弥月家で電話を終えた琉絆空は、スマホの画面を
「琉絆空様、そろそろお昼ではないか?」
そこへ褐色と
彼の腕にしがみつく。
「ん、このメール連絡が終わったら行くよ」
そして一通り操作を終えると彼女と向き合う。
「それにしても―――今、
いくら恋人とはいえ、東京が職場なのに……」
気軽に行ける距離ではない。それを彼が気にかけていると、
「もう、
今、あの家は2人きりならぬ3人きりなのだぞ?
邪魔者がいない分、そりゃあもう好きに出来るであろうが♪」
「あ、そ、そういう事か」
舞桜の言葉に琉絆空は赤面し、彼女はからかうような笑顔を見せた。
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