第278話・妖への道03


「ほーん、そんな話をしておったのか」


真っ赤な肌にボンキュッボンボディの舞桜まおさんが食べながら語る。


昼過ぎ―――

ようやく起きて来たみんなと、こちらに取っては朝食を、向こうに取っては

昼食を前に情報共有していた。


「確かにまあ、いずれは話し合わなければならない事だったとは思うけど」


弥月ウチの一族的にはいいのかな?

 まあ、人外の協力者もいるんだし今さらかー」


中肉中背の二十代後半の兄と、ポニーテールの妹……

琉絆空るきあさんと加奈さんが続く。


「オラとしても、ずっと一緒にいられるのは嬉しい事だべが」


「そうですね。

 子供の問題とかもありますし―――」


褐色肌の青年・銀と、長い銀髪を持つ詩音が箸を持ったまま語り、


「そーそー。夫婦だけの問題じゃないですよコレは」


「それに若くてピチピチの今がしゅんの状態で出来ればベスト!」


「……これは……可及的速かきゅうてきすみやかに解決しなければならない懸念けねん事項……!」


詩音の周りで、ツインテール&やや三白眼さんぱくがんの子とショートストレートに細目、

そしてポニーテールに丸顔ジト目の女子高生3人組―――

卯月うづきさん・速瀬はやせさん・もみじさんがまとわりつきながら

それぞれ欲望というか意見を述べる。


「それで、あちらさんが作っていた例のドラッグが完成すれば、

 一番楽だとは思うんだよ。


 『』になるのはいったん置いておくとして……

 それに、それだと俺しか人外になれないし」


俺がそう言うと、


「ただそれには、良心の呵責かしゃくを感じずいなくなっても別に困らない、

 つぶよりのクズが必要という事なのよね」


「ただ残念というか幸いというか―――

 そーいう人に心当たりがあってねー」


秘書風の眼鏡をかけた女性と、女子高生3人組と同じくらいの、

黒髪ロングストレートの童顔の少女……

裕子さんと理奈が俺の話の後を引き継ぐ。


「そんな人がいるんですか」


「じゃあ、それを調達すれば」


「……問題は解決する……」


女子高生3人組がそこに食いつく。

この3人には俺の詳しい家庭事情は伝えていないから、誰か目ぼしは

付かないだろうけど。


「となるとどーするかですねぇ。

 あのゴミ、女にはコロっと騙されそうでしたけど」


「まあ古典的ではあるが、男をたぶらかすには最適であろう」


加奈さんと舞桜さんが同調し、


「そうですねえ……

 やはり若くてピチピチでイキのいい方が食いつきはいいでしょうし」


「かと言って主様やしーちゃんが若返ると、別の意味で危ない」


裕子さんと理奈の言葉に、女子高生3人組が反応し、


「お姉様を差し出すなんてとんでもない!」


「それなら現役女子高生のあたしたちが!!」


「……例え火の中水の中、辞さない所存……!!」


よくわからない一体感の中、例のクズの捕獲計画を立てる事となった。


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