第183話・女子高生3人組、来たる06


「……というワケでね。まあミツは最後まで腰が引けてたんだけど」


倉ぼっこの理奈が一通り、満浩みつひろと結ばれた事を説明すると、


「しかし裕子殿はよく認めたのう。それで良かったのか?」


「まあ人種というか人外ですし、浮気じゃない? かなとも思いまして」


「私は嫌だなー。人間でも人外でも銀様が他の女と付き合うのは」


舞桜まお・裕子・加奈が話に加わり、


「私たちは友達同士だったからまだ良かったけど」


「勢いもあったしね」


「……無論、ワタシたち以外が加わるのはNG……!」


次いで瑠奈るな水樹みずき一花いちかの女子高生3人組が

意見表明する。


「んー、でも何か悔しいなあ。理奈ちゃんに取られちゃうなんて」


その後の詩音の言葉に、女性陣は異様な熱気を見せ、


「お、やっぱり未練はあるのか?」


「いえ、裕子さんだったから身を引いたのであって―――

 同じ人外ならアタシにもワンチャンあったんじゃないか、

 とも思ってしまって」


「でもそれは覚醒前の時だったでしょう?

 理奈さんが覚醒前の姿に戻った時、満浩さんかなり困惑して

 おりましたから」


舞桜・詩音・裕子が言葉を交えると、


「えー? そうかなあ。

 最初はそうだったけど最後の方はケ・ダ・モ・ノ状態だったような♪」


「え。ま、まあそれは見ているこっちも背徳感がすごかったというか」


理奈が腰をくねらせながら顔を上気させ、裕子もまた顔を赤らめる。


「その話、是非とも詳しく」


理奈の発言に詩音が食いつき、


「これは聞いておくべきかも」


「あ、あたしたちは詩音お姉さまのそうなった時しか知りませんし」


「……むしろこれが本題、メインディッシュ……!」


そこに女子高生3人組も加わり―――

昨夜の事が洗いざらい明かされる流れとなった。




一方その頃、下の階では……


「はあ、理奈さんとですか」


「まー確かに、理奈だけ独り身というのはキツかったと思うっぺよ。

 ミツなら安心して任せられるべ」


男性陣は男性陣で情報共有していた。


「いやしかし参ったよ。朝食の時は詩音との仲をあの女子高生たちに

 しつこく聞かれたし。


 まあそのおかげで、理奈の件はなし崩しに出来たから良かったけど」


そう俺は思っていたのだが―――

まさか上の階で全ての情報がオープンになって共有されているとは、

予想だにしていなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る