第170話・弥月一族の戦力として03


「ぬっ!?」


「こ、この妖力ようりょくは……!」


「どういう事だ!?

 どれもこれも、低級のあやかしのそれではないぞ!!」


そこに現れた、倉ぼっこの理奈、川童かわこの銀、野狐やこの詩音を見て―――

一族の者は口々にその異常を語り合う。


「そりゃアタイが直々にきたえたからのう。

 ただの妖怪と思ったら大間違いじゃぞ?」


そして姿を見せたのは人外だけではない。


銀の隣りには加奈さんが、そして詩音はというと……

なぜかあの女子高生3人組をはべらせ、


「オラは推古銀すいこ・ぎんと名前を頂いているべ。

 よろしくお願いするだよ」


褐色肌に細マッチョ、そしてアイドルのような顔立ちの青年に、


「アラ、いけてるじゃないの」


「加奈ちゃん、いいの捕まえたわねー」


と、まるでお見合い結果を見るようなオバさん連中の言葉が続き、

その後にロングの銀髪をした詩音が、


「……和泉詩音いずみ・しおんと申します。

 これでも男ですので、一応……」


その言葉に女性陣が一気に盛り上がりを見せ、


「ウッソまじで!?」


「すげぇ! 本物の男の娘じゃん!!」


そしてしがみつくようにしていた3人の女子高生は、

ツインテール&やや三白眼の方から、


卯月うづき瑠奈るなでーす!」


続けてショートストレート&細目の子が、


速瀬はやせ水樹みずきですっ」


最後にポニーテール&丸顔&ジト目の少女が、


もみじ一花いちか……です……

 詩音お姉さまとは良い仲ですので……

 よろしくお願いします……」


と、協力者として自己紹介して終わり、


「倉ぼっこの校倉理奈あぜくら・りなでーす!!

 恋人募集中ーっ!!」


と、今日一番の爆弾発言を理奈が行い―――


取り敢えず顔見せはスタートした。


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