第226話・一人暮らし?


「ふぅ」


俺は1人、誰もいない東北の家で寝転がる。


特別第六課への捜査協力は終わったものの―――

裕子と理奈は引き続き様子見で東京に残って欲しいと言われ、


弥月みつき兄妹はそのまま、あやかしグループとの『決戦』に備えて待機、

自動的に彼らの恋人である舞桜まおさんと銀も待機。


詩音はあの女子高生3人組とずっと裕子のマンションにいるみたいで、

俺だけが東北の田舎に戻っていた。


かと言って俺1人だけの環境かと言うと、


「ミツ様、魚を獲って来ました」


「ミツ様、小動物や山菜、木の実はこれくらいで?」


と、人間の姿になった野狐やこたちが時々来るので、

寂しいという事も無く……


「ありがとう。あ、例の冷凍もののネズミの天ぷらはもう準備してあるから。

 ちょっと味見していくか? 役得って事で―――」


そう言うとテンションMAX状態で彼らは狂喜乱舞する。

そしてそれぞれが1匹頬張った後、


「そういえば長老が言っておりましたが……

 詩音はお役に立っているでしょうか」


「そこは問題無いかな。

 ただ、今弥月家と協力してある事にあたっているんだけど、

 それが厄介らしくて」


「人間が元となっている妖が複数、ですか。

 いったい何が問題なのかお聞きしても?」


そこで俺は、相手の妖が『飛縁魔ひのえんま』・『烏天狗からすてんぐ』・『雪女』、

そして『煙羅煙羅えんらえんら』という事までは突き止めたが、


最後の1人にしてリーダーと思われる男の正体が未だ判明していない、

と説明すると、


「であるのなら―――長老に聞いてみた方がいいかも知れませぬ」


「百と八十は生きておりますので、何かわかるかも」


その申し出に俺はうなずき、


「そうだなあ……ちょうど差し入れの日でもあるし。

 それなら俺の家で食べないか? 今ちょうど誰もいないしさ」


俺がそう提案すると、彼らの顔がパアッと明るくなった。


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