第232話・作戦05
「わかりました、土曜日ですね?」
夜中も11時を回った頃―――
東北にある実家で、俺は
連絡、そして作戦内容を聞いていた。
今回は俺だけじゃなく裕子さんと理奈もいて、
「じゃあ金曜日には向かった方が良さそうですね」
「全員でかー。
あっちも人外多いし、こっちも多いに越した事はないか」
眼鏡をかけた秘書風の女性と、童顔の黒髪ロングの彼女が語る。
『それより容疑が弱くてですね……
今のところ、違法ドラッグという線で逮捕状を請求している
みたいなのですが、どう転ぶか』
「相手、妖怪ですもんね―――
司法は超常現象的な存在を認めていないし、そこから最も遠い
位置にいるのが
それを聞いて裕子さんも倉ぼっこの理奈もウンウンとうなずく。
『まあだから、『話し合い』を前面に押し出したんですよ。
乗り込むのも責任もこっちじゃたまらない。
それに連中の被害者だって、本来なら司法の裁きを受けるべき
者たちだった事を考えるとどうにも』
そういえば、復讐されて当然のような人たちだったと聞いたな。
それゆえ、被害届もあまり出されていないとか。
「バックアップは鬼の
「まー確かに、風でも氷でも
銀ちゃんがいればどんな火でも消し止められるしね。
でも何で僕まで支援に?」
理奈が首を傾げて聞き返すと、
『以前、動画の送り先を突き止めた事で……
PC絡みは理奈さんに任せれば大丈夫、という認識になったんじゃ
ないかな。
あと連中が逃げたら逃げたで、中のPCの証拠を確保してもらいたい、
というのもあると思う』
「それくらい人間の方がやってよー、もー」
「まあ人間が全員、PCに精通しているわけじゃありませんから」
理奈の場合は精通していると言えるのだろうか、という疑問を
抱きつつも口には出さず―――
すると通話先の向こうから、
『もー、琉絆空様っ♪
いい加減お仕事の話はそれまでにしてくりゃれ♪』
『えっちょっ待って、これから加奈にも連絡しないと』
『どうせ今は銀と真っ最中じゃ♪
アタイたちも早く『はっする』しようぞ♪』
『あっあのスイマセン!
じゃあ話はこれで失礼しますっ!!』
琉絆空さんと舞桜さんのやり取りを聞いた、というより聞かされた
俺と裕子と理奈、恋人ズはしばらく沈黙し……
「じゃー2人ともっ!
僕たちも『はっする』しよっ!!」
無敵過ぎるだろ、と思っていると、
「そ、そうですわねっ!!」
と、裕子さんも呼応し―――俺は両手をそれぞれ2人につかまれて
ベッドまで連行された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます