第133話・弥月家にて04


ようやく、鬼であり彼女である舞桜まおの写メを見せた琉絆空るきあ

そして両親の反応は―――


「ずいぶんと古風な鬼だな。今時和服とは」


「そう? 化粧なんかは垢抜あかぬけているけど」


両親がまじまじとその写メを見つめ、品定めのように意見を交わす。

ちなみに衣装は琉絆空が用意した、それなりに高いコスプレ衣装だ。


「ただ、ものすごく強い事は確かだ。戦力としては申し分無いと思う」


一応、協力者として紹介した手前、その事について触れると、


「まあ鬼だし、そのヘンについての文句はえ」


父親は視線を写メから上げて、お茶に手をつける。

対照的に母親の方はじっとスマホを見つめ続け、


「……おかしいわね」


まるで10代前半のような外見の母親の言葉に、琉絆空と加奈の兄妹は

ビクッと肩を揺らす。


「な、何がだよ?」


「もしかして化粧の事?

 今時、あやかしだって女性ならそれくらい―――」


何とか言い訳を考えようとする2人の言葉をさえぎって、


「だって琉絆空。あなたの好みじゃないじゃないの。

 あなたのタイプは確か、


 『外見は幼そうに見えて、それでいて年上であり、かつ組織の

 トップなどの地位にいる頼りがいのあるお姉さん』


 でしょ?」


「いや何でそこまでわかるんだよ!?

 普通に当てていい範囲を超えてんだろ!!」


自分の好みを全て余すところなく正確に伝えられた息子は、慌てふためく。


「ママンは何でも知っている~♪」


それに対し母親はからかうようにおどけて見せ、


「まあ何だ。理想と現実の差を知っているという事はいい事だ」


父親は同じ同性として助け船を出す。


「フォロー入れないでくれ!!

 いたたまれなくなるから!」


「まあまあ。だって協力者でしょ?

 別に好みとかそうじゃないとかいう話じゃなくって―――」


さすがに妹が兄に手を差し伸べるが、


「それで加奈は?


 『カッコイイ系の日焼けした肌が似合うような細マッチョ』の彼氏は

 見つかったの?」


「お母さーん!?!?」


続けて出た母親の追撃を食らい、2人は兄妹そろって身もだえる事になった。


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