第309話・決着02
「もしもし? ああ、もうトランシーバーは着いたのか。
ん? こちらの
それは構わないが……」
『影』部隊と交戦、彼らを捕らえた
「おい、お前たちのリーダーは誰だ?」
不意に雲外鏡が捕まえた連中に話を振る。
彼らはすでに観念したのか大人しくしており、一つ目小僧である
接待して、飲食物を勧めていたが、
「隊長なら俺だが―――」
部隊の中で一番年長者らしいアラフォーの男が片腕を挙げて答える。
「そちらと向こうで話し合いたい事があるんだとよ。
スピーカーにするから、対応してくれ」
そう言われた彼は、特殊部隊のような格好のままで電話口に出る。
「こちら『影』部隊隊長……」
『おう。こちら『月』部隊隊長だ』
話し相手が同じ十六夜一族の者だとわかり、彼らは
「な、何やってんですか!? てか話って」
『あー、それなんだがな。
そもそも俺たちゃ乗り気じゃ無かったわけだろ。
だがジジイ連中の事だ。
この失敗で懲りてくれりゃあいいが、絶対そんな事はねぇ。
で、今後の事を考えて―――
思いもしない展開に、『影』部隊の面々は顔を見合わせ……
『まあ聞けって。
お前らもあのジジイ連中に一泡吹かせたいって思っているだろ?
それで考えた手というのはだな―――
あ、安武さんお願い出来ますか?』
そして雲外鏡以下の
「鬼が協力してくれるんですか。
そりゃ面白そうですね」
『だろ?
それにあまり時間をかけると不審がられるし……
すぐに行動に移す必要がある。
というわけだから雲外鏡さん?
そいつらの中で2名ばかり解放してやってくれねぇか?』
それを聞いた細面の青年は少し考え、
「ふむ、そうだな。
『今後』の事についても使えそうだ。
それが終わったら―――そうだな。
人見に手伝ってもらおう」
「ぼ、僕がですか?」
顔の片側を髪で隠した、中性的な顔立ちの少年が困惑しながら聞き返すも、
「あ~、確かにそれなら人見君はうってつけね」
「このレベルの美少年なら、女性陣は全員寝返らせる事が出来るわ」
「そういえば、前の偵察組も情に訴えて味方にしたんだっけか」
「それに今の鬼も幼女の姿になっているのなら……」
「まあ、アリだにゃ。むしろうってつけ?」
「となれば―――後は実行あるのみでござんす。
誰が行きやすかい?」
と、
「あのジジイが慌てふためくところは見てみたいな」
「だけど人選で揉めている時間はねぇぞ?」
「あ、じゃあ行くヤツがスマホで録画すりゃいいじゃねぇか」
と、彼らもその『話』には乗り気で……
敵味方合わせてそれは実行に移された。
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