第93話・兄妹喧嘩・03
「ではお邪魔しました」
「早く帰ってよね、バカ兄貴」
兄である
朝食後、特に話す事もなく……
というより本当に妹に男が出来たかどうかの確認に来ただけなのか。
重度のシスコンだが、それが妹に通じていない―――
それどころか逆効果のようだけど。
「出来れば二度と来ないでくださいねー」
「
相手にしたくありませんし」
理奈と詩音が微笑みながら手を振り、
「
微妙な表情になる彼を前に、俺もどんな顔をしたらいいのかわからなくなる。
弥月さんは
兄の方は術に感知されずに来たのだという。
ある意味、こちらの方が厄介だ。
そして彼女の話によると、お兄さんは性格はともかくとして、
一族の中でもかなりの実力者との事。
うちの人外3人組でも話にならず、もしフル装備であれば鬼っ子とも
互角に戦えるのでは、という。
そして彼がレンタカーに乗り込むのをみんなで見る。
裕子さんは俺と一緒に、そして弥月さんは銀の片腕に手を回してそれを
見送り……
「ん?」
「れ?」
「あっ」
裕子さんと理奈と詩音が思わず銀&弥月さんのカップルの方を見る。
するといったん閉じた車のドアがゆっくりと音を立てて開き、
「な・に・を・し・て・い・る・の・か・なぁ?」
兄の視線に妹はハッとなって、
「あ、ヤバ。ついいつもの感じで」
「いつもだとぉ!? ついに正体を現したな!!(!?)」
「バレてしまっちゃ仕方がねぇ!(!?)
銀様! どうか下がっていてください!!」
などと意味不明のやり取りが行われる。
恐らく、当人たちもテンパっていてわかっていないと思われるが……
そして再び、兄妹喧嘩の幕が上がった―――
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