第276話・妖への道01
「んー……」
あの後、あちらの人外メンバーは旅館に泊まる事となり、
こちらのメンバーはそれぞれ―――
鬼娘の
詩音は女子高生3人組と二階の自室となった客室に戻り……
俺は一階の仕事部屋兼寝室で、裕子さん、そして倉ぼっこの理奈と一緒に
ベッドの中にいた。
(飲酒していたので、運転は旅館の人に代行してもらった)
俺が仰向けで自分の片手を見ていると、
「どうかしましたか、
「どったのー、ミツー?」
2人の恋人が両側から質問してくる。
「いや、『
要は人外になるって事だよなあ。
どうしたものかと」
手の平から目を離さずに答えると、
「僕はなってもらった方が嬉しいけど」
「そうなんですか?」
理奈の言葉に裕子が聞き返す。
「だって寿命とか考えるとねー。
100年生きられるってわけじゃないしさ。
その点、人間辞めちゃえばずっと一緒にいられるしー」
妖怪視点だとそうなるのか……
まあわからなくはないけど。
「その場合、裕子さんが置いてきぼりになるんじゃ―――」
「がんばれ、根性だ!」
「根性で死からは逃れらないのよ理奈ちゃん」
軽い感じで笑いながら話し合うが、考えてみれば結構深刻な問題でもある。
特に俺や
ならない時が来るのだ。
あの女子高生3人組だって……
「あっちは全員が妖怪だから、そんな問題は無いんだろうけど」
元人間かどうかの違いはあれど、全員が
だから彼ら同士でくっつくのであれば何も―――
「そういえばあちらって……
第六課は全員元人間の組織と思っていたんですよね?」
「確か仲間を増やす目的で、ドラッグを作っていたって」
「ああ、一つ目小僧の
扱いだったらしいけど」
裕子さんと理奈の話に俺も加わると、
「いえ、そうではなくて。
彼らが元人間から妖怪になったというのでしたら―――」
「つまり、ゆーちゃんも妖になれるって事なんじゃ」
何か話が妙な方向に行き始めたけど、出来ればずっと一緒にいたいという
考えはわからなくもない。
「雲外鏡さんに聞いてみようか。人間が妖怪になる方法があるのなら」
そう言うと俺と裕子、理奈は次のラウンドに入る事にした。
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